Finger Drummingにおける生演奏について
更新日:2020年9月23日
Good Evening!!!
My Fellow Finger Drumming Addicts!!!
Shogun Beatz です。
皆様元気に叩いてますか?
MPCにおける醍醐味の1つに生演奏というものが挙げられます。
生演奏と一言で言っても、数多くいるMPCプレイヤーそれぞれの生演奏の形がありますので、細かく分析していくとすると、それこそ分厚い本が書けるくらいの情報量になるかもしれません。
MPCといえばサンプラーですから、チョップしたネタ(サンプリング)をリアルタイムで鳴らしていくことが基本としてありますが、ネタを鳴らしながらフィンガードラムしたり、ネタはシーケンスで組んでフィンガードラムだけ生演奏したり、、、など、本当に使い方はプレイヤーの数だけあると言っても過言ではありません。
私自身は生演奏において、主にギターや鍵盤などの伴奏フレーズやループ、ベースラインのループ、リード楽器のパート、その他の楽器パート、などなどをデータ別、パート別に分けてパッドに配置して、それらを適所で流しながらフィンガードラムを叩く形を取ることが多いです。
1小節、または2、4、8小節ほどのループフレーズを基本として、各楽器パートのフレーズの抜き差し、そしてフィンガードラムのパターンなどで展開を作る、といった具合です。
また、曲の最初から最後まで、ドラムパート以外が流れる音源をパッドに配置し、それに合わせてドラムだけ生演奏で叩いたりもしますが、各パートが正確に流れる分、自分自身の叩くドラムのタイミングのズレがかなり目立って聴こえます。
それは、何かガイドラインを追っかけながら演奏しているような感じとも言えるだろうと思いますし、追いかけるのが難しい、追いかけるのが嫌になってしまったら、もしそう感じてしまったなら、生演奏の気持ち良さを存分に体感していない、できていないとも言えます。
やはり、MPC生演奏における楽しさ、気持ち良さの中心的な要素として存在していると思わざるを得ないのが、「サンプル」と「フィンガードラム」の組み合わせだと考えられます。
サンプルを叩くタイミングは、機械では無い以上、ズレが生じますが、そのズレに合わせるようにフィンガードラムを叩くことで実に人間味の溢れるフローとして聴こえてくると感じます。
そのサンプルやドラムサンプルは、毎回同じ音であるにも関わらずフローが人間臭くなるのは、そのタイミングのズレが引き起こしているということも言えるでしょう。
例えば、短いサンプルを主体として演奏してみると、短い音を複数組み合わせて空間を埋めながら同時にフィンガードラムをするので、ただフレーズを聴きながら叩く時よりも、そのフレーズ自体を演奏、組み立てながらドラムを叩く要素が大きくなるので、より全てのパートが自身のコントロール下にある状態になっています。
また、自身の叩いたネタのサンプルのタイミングや響きによって絶妙に遅らせてドラムを叩いたりするなど、BPMが決まっているループやシーケンスの上で叩くのとは違う感覚で生演奏を味わうことができ、フィンガードラムでの表現の自由度や可能性は圧倒的に拡がります。
そして、フィンガードラムの最大の楽しさの1つにSwingが挙げられると思います。MPCではT.C(Timing Correct)として知られていて、組み込むパターンの刻みやSwing具合を設定補正できる、最も重要な機能の1つです。
一般的なダンスミュージックのドラムパターンをフィンガードラムで単純に摸倣しようとする際には、ハイハットのパートでSwingを表現することが多いと思います。
「チキチキチキチキ」のようなチとキの間の音の距離が一定である場合(swing度50%) と比べたら
「チッキチッキチッキチッキ」(swing65%くらい、またはTriplet) のような跳ねたフレーズを叩く場合、私のオルタネートスタンス(左右交互)でやると、右指がチ、左指がキを担当する形になることが多いので、上記の跳ねたフレーズの場合、左手のタイミングを全て遅らせることにより、上記の「ツ」の跳ねるタイミングを作り出しているということになります。
私も含め、多くのプレイヤーは、レギュラースタンスの場合は右手(利き腕、軸腕、ハイハットを担当する方の腕、一方で私のようなオルタネートスタンスの場合は左右の指1本ずつ)の各人任意での指2本を使ってハイハットのswingを表現していることが多く、欧米や海外では主流派と呼べるくらいに定着してきている方法です。
ハイハットを2個使用する際は、パッドを2個使用し、微妙にニュアンスが違うハイハットの音をそれぞれ配置し、強弱をつけて交互に叩くことで表現を深めたりします。
ここからは個人的な意見ではありますが、フィンガードラムにおいては、このようなswingのニュアンスの違いを出したりすることなど、技術の分野に関わらず、あるレベル以上に表現が繊細であることが求められる時がある、または来ると思います。
ただ、それは演奏のクオリティや上手い下手として求められているものではなく、各プレイヤーの音楽の中の世界観を表す要素としての繊細さや奥深さのようなものが求められているのだ、と思っています。
それは、MPCの歴史や経緯を振り返ってみても、各プレイヤーの我や個性自体が、演奏する音や世界観を構築していき、それがスタイルとなって出来上がっていくという、まさに創世記的な時代でもある現在のフィンガードラム界隈の中での「キャラクター」のような部分の話とでも言いましょうか。
少し言葉での説明が難しい部分でもありますが、これから始める方々、今猛練習中の方に伝えておきたいのは、例えば、何年後かわかりませんが、いつかフィンガードラムの教則本が出るとするなら、今現在猛練習中の貴方自身がその内容を大きく変える可能性がある、ということです。
私達フィンガードラマーが苦労して得る知識や技術、感覚が、そのまま私達コミュニティの未来を作っているという事実があるということです。
興味があればオンラインレッスンで実演しますので、是非ご参加ください。
誰か天才1人が未来のフィンガードラム業界を作るのではなく、1人1人が内から外に持ち出していく影響が有名無名問わず影響を与えあってコミュニティの内外で構築されるものです。ですので、フィンガードラムにおいては、「常識や音楽理論に捉われない」ことが何よりも大事かなと思っています。
つまりは、単純に君のこと、好きなのさぁ
と、1人だけだとしてもそう言ってくれるファンがいる、そんなフィンガードラマーで居続けること、独自の「こだわりを表現」し続けるフィンガードラマーとして、死んでも誰かの記憶に残っていたなら上出来だな、と、そんな令和2年、秋への節目を迎える夜の、パッっと思いついた個人的な想いと共に綴らせて頂きました。
さて、早めに子供寝かしつけて時間余ったら練習しようかな!うふふ。
お粗末様でした🙇🏻♂️
Shogun Beatz 九拝
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